2018年5月4日金曜日

ペーター・レーゼル(Peter Rösel)瑞々しい正統派ピアニズム ♪

ペーター・レーゼル(Peter Rösel)はドレスデン生まれのドイツのピアニスト。「知る人ぞ知る旧東ドイツの名ピアニスト」だそうだ。私は知らなかったが…(^^;)。

1945年2月2日生まれなので73歳になるが、今年1月の演奏(YouTube)を聴くと、まだまだお元気そうで、実に若々しい演奏である。





その演奏がこの(↓)モーツァルトのコンチェルト第23番。素人録画のようなので音質はあまり良くないが、それでも伝わってくる音楽の瑞々(みずみず)しさはとてもいい感じだ。いまどき珍しい燕尾服でちょっと昔の巨匠風な雰囲気もあるが…。

タッチは軽そうだが、しっかりした豊かな音で「正統派」を感じさせる。

 Peter Rösel, Mozart KV 488

Peter Rösel mit den Thüringer Symphonikern unter der Leitung von Maurizio Colasanti am 26. Januar 2018 in Saalfeld, Meininger Hof


実は、最初に YouTube で聴いたのは、バッハのパルティータ第4番 ニ長調 BWV 828(↓)。録音のせいか、音がぼやけて、あまり好きな演奏ではなかった。

 Peter Rösel, Klavierrecital auf Schloss Reichstädt

それと、ベートーヴェンのピアノソナタの音源(ちょっと古そうな…)があったので、いくつか聴いてみたが、これも好みではなかった。普通に上手いだけ…みたいな印象。

例えば、この(↓)1984年、ドレスデンでのスタジオ録音…。

 Beethoven - Piano sonata n°17 op.31 n°2 - Rösel

このあたりで「もういいか…」と思ったのだが、ちょっと待てよ、最近の演奏をもう一つ聴いてみるかと思って聴いたのが先ほどご紹介したモーツァルト ♪


それで気を取り直して?いくつか聴いた中で気に入ったのが次の2つ。


 Weber Konzertstück op.79

あまり聴いたことのない曲で、ウェーバーの「コンツェルトシュテュック(ピアノ小協奏曲) ヘ短調 Op.79」。曲もいい感じ ♪

実に音楽的な演奏で、速いパッセージでも一つ一つの音がクリアに響く粒立ちのいいピアノの音を久しぶりに聴いた気がする。指揮はヘルベルト・ブロムシュテットさん。

たぶんこの CD(2008年リリース)と思われる。

Piano Concerto





 Schumann - Peter Rösel (1979) Etudes symphoniques op 13

シューマンの「交響的練習曲 Op.13」。この曲は私にとって、ピアニストの好みを判断する際の「試金石」になる曲の一つ。つまり、演奏によって(私の)評価が極端に分かれる曲なのだ。

で、ペーター・レーゼルのこの演奏、最初はちょっとおとなしすぎるかな?と思って聴いていたが、これはこれでいい感じの音楽になっている。好ましい ♪ "Peter Rösel (1979) " とあるので、1979年の録音かな?


…ということで、曲によるのかもしれないが、今回は「お気に入りピアニスト」候補として名前を覚えておこうと思う。

ちなみにプロフィールは今回の紀尾井ホールのリサイタルページ(↓)など。

✏️ペーター・レーゼル ピアノ・リサイタル Impressionen aus Paris<パリのおもむき>



【関連記事】
《2018年来日ピアニストのチェック(続)》

《ピアノカレンダー》


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2 件のコメント:

かつ さんのコメント...

ぴあさん、はじめまして。
かつと申します。

わたしはピアニスト等詳しくないのですが、高校生の時にペーター・レーゼル氏のブラームス全曲集(計5枚)CDを買いました。
※1枚1000円だったからなのですが…
それ以来レーゼル氏のファンです。
ぴあさんに紹介いただいて嬉しくなってコメントしてしまいました。
ピアニストとしては『派手さ』や『毒気』が足りなく感じますが
良心的な演奏が心地良しです。
今回のプログラムは珍しくフランス作品なんですね、どんな感じかな?
東京に住んでいたら行ってみたかったです。

ぴあ さんのコメント...

かつさん、はじめまして ♪
コメント、ありがとうございます。
ペーター・レーゼルさんのことは、恥ずかしながら、今回初めて知ったのですが、ずいぶん長く活躍されていて、日本にもかなりのファンがいるようですね。「良心的な演奏」という言い方はよく分かります。どの曲を聴いても、その作品に真正面から取り組んでいることが伝わって来ます。
「派手さ」や「毒気」もときには必要だと思うのですが、それも土台の音楽がちゃんとあってのことだと思っています。最近の若手に「派手さ」だけ?みたいなピアニストがいるのは、ちょっと残念に思うこともあります…。