2018年2月9日金曜日

ピアニストも調律師もこれからは中国人の時代?

最近、ねもねも舎のブログにピアノの調律師不足の話(↓)が出ていた、2つも…。

✏️コンサート調律師が圧倒的に不足する可能性

✏️調律師が減っている理由

で、2〜3日前に、私のブログの《What's New▼ぴあの一言》で、ヤマハとカワイが中国のピアノ市場で好調というニュースを紹介した。

✏️ヤマハ、4~12月営業益11%増 中国でピアノ販売好調

✏️中国で今後注目される「文化消費」、河合楽器の強みとは


そのコメントに「国際ピアノコンクールのコンペチタが中国人だらけになるのは時間の問題かナ…」などと書いてしまったのだが、日本のコンサートホールの調律もいずれ中国人調律師にお願いすることになるのかも…(^^;)?



そんなことをふと思ったのは、上の図をカワイ=(株)河合楽器製作所の「決算説明会」向け資料の中でたまたま見つけたからだ。検索すると、中国で「ピアノ調律事業」を始めるという記事(↓)が見つかった。

✏️中国楽器協会と「ピアノ調律事業協力に関する基本合意」を締結(2016/10/14)


この記事によると、「(中国の)国内で保有されるピアノ約700万台、年間ピアノ販売台数約30万台というピアノの普及状況に対し、ピアノを調律する技術者が大変不足」していると書かれている。年間30万台というのは日本でのピーク時と同じくらいだそうだ。

日本にあるピアノの総台数が 600万台とも言われているので、2016年の時点で既に中国の方がたくさんのピアノを保有している。

普及率で見ると、少し古い2009年のデータだが、中国都市部の家庭100戸あたり約2.5台であった。これは、日本の約20台(2010年)の 1/8 程度である。人口が日本の10倍以上の14億人に迫っているという中国なので、まだまだピアノの台数は増えそうだ。

その台数に見合う調律師を育成する…ということになれば、かなりの人数の中国人調律師が誕生することになり、最初に書いたことをふと思った次第…。


ところで、いろんな記事をつまみ読みしているうちに、実はカワイは中国資本の配下に入っていたことを知った(↓)。ビックリである。

✏️ピアノが売れない…世界の「KAWAI」も中国資本に飲み込まれ、社長は30年君臨(2017.3.7)

河合楽器製作所は2月9日、香港の楽器生産販売会社、パーソンズ・ミュージック・コーポレーション(PMC)と資本業務提携を結ぶと発表した。PMCが河合楽器の全株式の9.94%にあたる89万6600株を取得し筆頭株主となる

…ということらしい。この記事によると、カワイも色々と企業努力(↓)をしていたようなのだが、ピアノの市場はかなり苦しいようだ。中国市場は最後の望みの綱?なのかも…。

  • 河合楽器は2014年3月、全音楽譜出版社を買収
  • 15年7月には、学研ホールディングスと業務資本提携
  • 15年11月には、音響機器メーカーのオンキヨーと資本業務提携

オンキョーとのコラボで生まれたのが2017年に発表された「90周年記念の最上級電子ピアノ NOVUS NV10」だったということらしい。


もう一つオマケ、素人的な疑問。

日本では、調律師を主人公とした 『羊と鋼の森』という本がベストセラーになったり…



『ピアノのムシ』というマンガが流行っていたり?



…するのに、ピアノの調律師の人気はあまりないのだろうか? スポーツ界とかでは「ぼくらはマンガで強くなった」とかあるのに…?



【関連記事】
《天津ジュリアード音楽院:文化面でもJapan passing?》


  にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ 

0 件のコメント: