2018年2月1日木曜日

7分で読めるピアノの本(6):ピアノ・ノートとシーモアさん

「7分で読める…」シリーズ(注)第6弾は、ピアニストがピアノ、ピアノ奏法、ピアノ音楽などについて掘り下げ語った2冊。技法や奏法を直接説明する教本のようなものではないが、ピアノという楽器に対する理解、ピアノの弾き方から練習の仕方、音楽のとらえ方まで、参考になることがたくさん入っている。

この2冊に共通していることの一つに「心 − 身体 − 音楽」のつながりがあると思う。


1冊目は、卓越したコンサート・ピアニストでありながら、西洋音楽史に詳しい理論家・批評家として著名なチャールズ・ローゼンの『ピアノ・ノート』

読書メモを読み返してみると、改めていいことがたくさん書いてあることに驚く。とくに、第7章の「演奏スタイルと音楽様式」にある「バッハの音楽… …なかでも『平均律』や『フーガの技法』は徹底して私的な作品で、自分一人で弾くため、瞑想のために書かれたものだった」という言葉はちょっと考えさせられた。

もう1冊は、シーモアさん(セイモア・バーンスタイン)の『心で弾くピアノ―音楽による自己発見』という本。

この本では、人間性と音楽性、あるいは実生活とピアノの練習・演奏ということの関連性について考えさせられた。また、この本を読み終わった後には、魅力的なピアノ演奏がどうやってできていくのか、少しは分かった気がしたものだ。



『ピアノ・ノート』
 チャールズ・ローゼン 著、朝倉 和子 訳
 みすず書房(2009/9/19)



*読書メモ*

紹介・目次

第1章 身体と心

第2章 ピアノの音を聴く

第3章 ピアノという楽器と、その欠陥

第4章 音楽学校とコンクール

第5章 コンサート

第6章 レコーディング

第7章 演奏スタイルと音楽様式 1/2

第7章 演奏スタイルと音楽様式 2/2




『心で弾くピアノ―音楽による自己発見』
 セイモア・バーンスタイン 著、佐藤覚/大津陽子 訳
 音楽之友社(1999/4/1)



*参考記事*

《つまらない演奏は…?:「心で弾くピアノ」》

《ピアノの練習とは…?:「心で弾くピアノ」》

《練習のキモは無邪気さ…?:「心で弾くピアノ」》

《「シーモアさんと、大人のための人生入門」名曲のような映画 ♪》


【関連記事】
《7分で読めるピアノの本(1)ネイガウス》

《7分で読めるピアノの本(2)ピアニズム》

《7分で読めるピアノの本(3)バレンボイム》

《7分で読めるピアノの本(4)ピアニストの系譜》

《7分で読めるピアノの本(5):シャンドールと井上直幸のピアノ教本》


(注)
このブログの前身『ぴあの研究ノート』時代に書き溜めた貴重な?読書メモ。これを2冊くらいずつ紹介していくシリーズ。なお、「7分で読める」かどうかは本(読書メモ)の長さによるのだが、そのあたりはいい加減なのでお許し願いたい。世の中には「5分で読める…」とか「10分で読める…」というのがあるようで、じゃあ間をとって7分にするか…という安易なネーミングでした…(^^;)。


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