2018年1月31日水曜日

アンナ・ヴィニツカヤ、プロコフィエフはいい ♪

《2018年来日ピアニスト14人のチェック(未知の…)》でチェックする予定のピアニストの3人目はアンナ・ヴィニツカヤ。名前は聞いたことがあるが、どんな演奏をするかの印象はまったくない。2月2日、サントリーホールでのプログラムはプロコフィエフ、ドビュッシー、ショパンという組み合わせ。




アンナ・ヴィニツカヤ(Anna Vinnitskaya)は、1983年8月4日生まれのロシアのピアニスト。2004年イタリアの「マウロ・パオロ・モノポリー」国際ピアノ・コンクールで1位、2007年エリザベート王妃国際音楽コンクールで1位など。

2009年には26歳という若さで母校ハンブルク音楽大学(Musikhochschule Hamburg)の教授になっており、ハンブルクを拠点に活躍中。また、CDをリリースする度にディアパソン賞、エコー賞、ショック賞など権威ある賞を次々と受賞している。

下記のねもねも舎の記事によると、エコー賞では2016年に「20.21世紀の協奏曲賞」というのを受賞したようだ。同じ年の「器楽賞(ピアノ)」はグリゴリー・ソコロフ。

✏️PTNAのプロフィール
✏️「ぶらあぼ」の記事(2016)
✏️エコークラシック2016受賞者発表(ねもねも舎)


YouTube の音源をいくつか聴いてみた。


 Anna Vinnitskaya plays Beethoven Piano Sonata No. 13 'Quasi una fantasia' Op. 27-1

2007年に優勝したときのエリザベート王妃国際音楽コンクールのファイナルの演奏。わりと好きな演奏なのだが、リズム感とテンポ感で若干私の持っているイメージと違う感じ。


 Prelude in B minor Bach / Siloti, Anna Vinnitskaya, piano

アンコールか何かの演奏と思われる?曲はきれいで好みだが、まぁそれだけ…。


 Anna Vinnitskaya Mussorgsky Pictures at an ExhibitionPiano 14

ムソルグスキーの「展覧会の絵」なかなかいい ♪ ダイナミックで、音はよく出るし、弾きっぷりもいい。やや繊細さに欠けると言えるかも知れないが、問題ないレベル。


 Prokofiev: Sonata no. 7 in B flat major, Op. 83 - Anna Vinnitskaya

このプロコフィエフもいい。このピアニストは、たぶんこういう曲の方があっていると思う。歯切れのよい音色は気持ちいい。


 Prokofiev Piano Concerto No.2 op.16

コンチェルトでは、なかなかピアニストの良さが判断できないことも多いような気がしているのだが、この演奏は上のソナタと同じでこの人の良さが出ていると思う。


で、ぶらあぼの記事に「シューマンとブラームスに思い入れが強い」と書いてあったのだが、YouTube にはこのトレーラー(↓)しか見当たらなかった。これでは分からない。

 BRAHMS // BACH By Anna Vinnitskaya - Official Album Trailer


で、NAXOS で探したらこのCD "BRAHMS / BACH-BRAHMS"(↓)があったので早速聴いてみた。ブラームスの小品を集めたものだ。




曲目は下記の通り。

  • ピアノのための5つの練習曲からJ.S.バッハのシャコンヌ(シャコンヌBWV1004をブラームスが編曲)
  • 8 Piano Pieces, Op. 76
  • 2 Rhapsodies, Op. 79
  • 7 Fantasien, Op. 116

まぁ、悪くはないのだが、正直にいうとブラームスはよく分からない。聴き覚えのある曲は2〜3曲しかないし、全般的に言うと、曲自体がそれほど好みではないためか、惹きつけられる演奏ではなかった。


で、他のCDを眺めていたらラヴェルの録音(↓)があったので聴いてみた。「亡き王女のためのパヴァーヌ」と「鏡」と「夜のガスパール」。好きな曲ばかり…。

Anna Vinnitskaya Plays Ravel



ところが、どれをとっても今ひとつ「ラヴェル」を聴いている気がしない…(^^;)?

決して下手なわけではなく「解釈」の問題だと思うのだが、私の感覚としては最後まで納得?できなかった。別の曲を聴いているような感じ…「これはラヴェルじゃない」というのが正直な感想。だからダメだと言うつもりはないが…。


本人はロシアよりもドイツのものが好きだと言っているみたいだが、ざっと聴いた感じではやはりロシアものの方が私の好みにはあっている。プロコフィエフなんかは結構いいので、作曲家(または曲)によっては「お気に入り」になりそうなピアニストである。



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