2014年2月28日金曜日

いい演奏をよく聴く〔連載(6:別稿) 大人のピアノ練習法〕

連載「大人のピアノ練習法」


(6:別稿)いい演奏をよく聴く


※(9)は(6)と内容がダブってました、失礼しました。

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ピアノが上達するには、技術のレベルだけではなく、「音楽性」の向上も必要だと思う。しかしひと言で「音楽性」と言っても、その内容はなかなかつかみ難いし、向上のための方法論もこれといった決定版はない。

また、「ピアノ演奏芸術」 でネイガウス先生が言っているように、演奏する前に「音楽的イメージ」を持つべきだ(→下記参照)、ということも頭では理解できる。が、そうたやすいことではない。

本 「ピアノ演奏芸術」:序文にかえて

前もって作品に目を通し、大まかにでも弾けるようにしてから、できるだけすばやく〈音楽的イメージ〉(内容、意義、詩的本質)を自分自身にはっきりさせること。

そこで、いい演奏をよく聴くことをお薦めしたい。本当は生のリサイタルに行くのがいいと思うが、時間とお金がかかるのと、たくさんの演奏を短期間で聴くためには、YouTubeなどを活用するのがいいだろう。同じ曲を複数のピアニストで聴き比べることなども簡単にできる。

「いい演奏」を選ぶのもなかなか難しいのだが、まずはたくさんの色んな演奏を聴くことだろう。その中で、自分の気に入った演奏(あるいはピアニスト、曲)などを集めていくと、しだいに自分の好みにあった「いい演奏」が見えてくると思う。

いろいろ聴いていくと、お気に入りのピアニストやピアニストごとの「得意分野」も何となく分かってくる。例えば、シフのバッハは絶品である、とかベートーヴェンのソナタはバレンボイムに限る、とか。(いずれも私の私見ですが…)

参考までに、私自身の「お気に入りピアニスト」を何人かあげておく。(URLはそのときのブログ記事)


Valentina Lisitsa
http://think-think.seesaa.net/article/354082020.html
Andras Schiff
http://think-think.seesaa.net/article/354187755.html
Fazil Say
http://think-think.seesaa.net/article/354880306.html
Yuja Wang
http://think-think.seesaa.net/article/359770504.htm

それから、よく「見る」ことも大事だと思う。見るのは、まずは指・手・手首・腕の使い方、つまり弾き方である。ピアニストによって結構違いがある。その中で、自分の目指す弾き方を見つけてお手本のイメージにするといい。

また身体や肩など全体の形も参考になる。スポーツでも「形(フォーム)から入る」というやり方があるように、ピアノの演奏でも「フォーム」が重要だと思う。自然な無理のない弾き方は、見ていても美しいはずである。ただし、オーバーなアクションや表情をするピアニストもいるので、そこはまねしない方がいいだろう。


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